2022年8月30日火曜日

2022.7.8~10 夏の始まり、虹を探して。①

序章 それは思い描いていた奇跡

 世間がまだ肌寒さに包まれていた3月、あるニュースが目に入った。



ずっと前から見ていたラブライブとパリーグがコラボ!?!?!?!?!?!?!?!?!?

これは行くしかないやろ!!!! 


というわけで。

行こう、虹を探しに。

第1章 完乗したいKASHIHARA LINE

今回はライブライブコラボ、虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会のコラボ試合を観戦するのがメインイベントだが、それに付随して近鉄の乗りつぶしも行うため、上記のように3日間近鉄全線乗り降り自由のフリー切符を使用することになった。
旅のスタートは6:30発のアーバンライナー大阪難波行き。
乙特急に格下げされたこともあり、車内は人が少なくて少し快適。
梅雨も明け、夏らしい空が広がる中愛知県を抜け、三重県に入る。
途中で乗り降りも多いことから見るにこの列車で名阪を乗り通す人はそこまでいないように感じた。
中川の連絡線を越え、夏らしい緑の生える景色を走り抜けていく。

それではここで今回の旅でやることを書き記していく。

1.近鉄の乗りつぶし
  そもそも乗りつぶしで残ってる部分ってめんどくさいから残っているので、この機会にフリー切符を駆使して乗りつぶしを進めることにした。

2.オリックスの勝利を見届ける
  今年は東京遠征で1敗してるのでいい加減勝たないと困る。

大まかなテーマは以上である。
ということでまずは大和八木で下車。
8:24着。
ここは橿原線と大阪線が交差する駅で、橿原神宮前・吉野方面などへ特急同士が接続する。
近鉄特急はこういう接続がやたら多い気がする。駅に降り立つとかなり快適だった。朝6時でも蒸し暑い名古屋とは大違いである。

次の列車に乗り換えるため1階にある橿原線ホームへ向かう。
特急京都行き 八木8:29→西大寺8:45
やってきたのは30000系「ビスタEX」近鉄伝統の2階建て特急車両だ。
これで橿原線の未乗区間である大和八木~大和西大寺を走破する。
列車は田園風景の中を走り続ける
せっかくなので2回の座席にしたのだが、荷物が多いと足元が窮屈になる。
田園風景の中を走り、車窓右手に大きな車両基地が見えてくる。
西大寺検車区の車両を横目に左に大きくカーブルすると大和西大寺に到着。
これで橿原線を完乗。近鉄では9路線めとなった。
次の列車まで少し時間があるので駅を見物してみる。
もうわけがわからない配線
この駅は1914年に開業。奈良線・京都線・橿原線の3路線のジャンクションで、奈良市の中心駅のような役割を担っている。
駅はこんな感じで、3面5線、ひっきりなしに電車が行きかうので見てて飽きない。
間合い運用で阪奈特急に入る「ひのとり」
奈良線に乗り入れる阪神1000系。台湾のラッピングをしていた。

近鉄って入庫電車は白幕にする決まりでもあるのだろうか。
知ってる方がいたら教えてください。

表示に目をやると京都行きに何かついてるのに気づく。

答えはホーム上にあった。
ジャンクション駅ならではの独自の表示だろう。名鉄名古屋駅もこれぐらいわかりやすくならないかな。
改札口にいたやつ

下のモニターだけで済まない?
コンコースには案内ロボットがいた。ここは世界的な観光名所がある都市らしい。
改札を出て2020年に整備された自由通路に出て、駅の外を観察する。
北口は周辺の道が手狭なことから整備が進められていた。
まだ朝で曇り空が広がっていたものの少し蒸し暑さを感じる。
工事現場のおっちゃんと警備員のおっちゃんが「今日は暑くなりそうやね~」と平和な会話をしていた。数時間後まさかあんなことが起きるとはね…

通路に戻り、今度は南側へ。
こちらはロータリーが整備され、バス乗り場が設置されていた。
駅から少し歩くと駅名の由来がある。
真言律宗の総本山、西大寺。
寺名の由来はご存じ東大寺に対するものである。西大寺駅に来たことはあってもこの寺に行った人は少なそうなのでこの際だから見てみることにした。
その後ちょっとだけ郵便局に用があるので近くの郵便局に入るものの混んでたので断念し、駅に戻る。
今度は難波方の線路を観察。
奈良方ほどではないがこちらもなかなか複雑である。
このことから大和西大寺は「西のカオス駅」の一つに数えられることがある。
ここからは難波に向かう。
列車が入線、まさかの伊勢志摩ライナーである。
阪奈特急には間合い運用で前述のひのとりのほか、この伊勢志摩ライナーが入ることもある。当然駅放送の案内も「伊勢志摩ライナー」と案内される。伊勢志摩ってなんだよ。

第2章 Amazing Cable Shigi-Line

大和西大寺9:20発 伊勢志摩ライナー大阪難波行きに乗車し、奈良線の乗りつぶしに入る。
どうせ奈良までの区間はそのうち行くから今回はスルー。
学園前、生駒と停車、列車は全長3,494mの新生駒トンネルを抜けて大阪府に入る。
ここからは勾配を下りながら大阪の街を望む。
夜景とかもきれいなのだろうなあと思いながら列車は一気に下っていく。
9:50 大阪難波に到着。
初の奈良線が伊勢志摩ライナーになるなんて思いもしなかったが、これも自分らしくていいと思う。
ここで1回近鉄を離れ、いつものようにエンジョイエコカードを購入して地下鉄で本町駅へ。
ケーキパフェを食べてついでにホテルに大きな荷物を預けるという算段だった。

しかし…

あっ…

ねぇ(Hotel Moonsideの歌い出し)

気を取り直してホテルに向かう途中にこんなものが
いまクッソ刺さるからやめろ。

その後はホテルで大きな荷物を預け、再び難波へ。
いつものホテルに今回は2泊する。
荷物を預けてついでにチェックイン手続きを済ませ、再び難波へ。

難波10:42→鶴橋10:47
区間準急大和朝倉行き 10:57→河内山本11:09
なぜか乗り換えアプリで待ってるはずの列車がいなかった。
なぜ接続を切ったのか。
とりあえず次に来る区間準急に乗車。
河内山本に到着。
今回2路線目の乗りつぶしは信貴線である。

信貴線で運行されている1430系
信貴線は河内山本~信貴山口を結ぶ全長2.8kmの小さな路線。終点の信貴山口で信貴山へのケーブルカーが接続している。
11:11発の列車に乗り込む。
発車してすぐ大阪線が分かれ、列車は勾配を登り続ける。
途中の駅は服部川の1つだけ。住宅地の中を抜けていく。
大阪の街が遠くに見える。
わずか5分で信貴山口に到着。
11:16着
ここから先、信貴山方面へはケーブルカー路線、西信貴鋼索線に乗り換えとなる。
まだ八社まで時間があるので駅前を散策する。
お店などがあったのだろうか。
こちらは駐輪場。
大阪への通勤通学圏内なのでそこそこ利用はありそう。
駅前はこれぐらいにしてケーブルカー乗り場に向かう。
人生初のケーブルカー乗車だ。
駅舎内にあったケーブルカーの仕組み案内。
そこまで急こう配なのかと思い、後ろを振り返ったらこんな感じ。
電車ですらすでに厳しいだろう勾配だった。
これでも南海高野線と違って特殊な車両は使われてないのだから高野線はどんな勾配なんだろうか。そんなことを考えてしまった。
車両はコ7形。
1957年にこの路線が営業を再開した際に導入された車両で、昨年リニューアルされて登場当時のカラーに塗り替えられている。
ケーブルカーの線路。
左側が溝車輪の線路で、途中の離合地点で線路の向きに向かって進む。
車両の側面には虎の絵が描かれている。
これは別に乗り入れ先のどっかのチームが関係してるわけではなく、この先にある信貴山朝護孫子寺の守り神がトラであることに由来している。この路線も先ほどまでの信貴線もこの朝護孫子寺に向けて作られた路線なのである。
車両の進行方向側に回ると前面に何かがついている。実はこれもちゃんとした車両で「コニ7」という名前がついている。その役割は高安山駅のトイレで使用される水を運搬するというものである。どうみてもただの荷台である。

外見を見たところで車内に入る。
階段状の車内。以外に急なので足元に注意。
そして座席にはトラの絵柄が描かれていた。そして冷房は無いので窓は全開。大自然をそのまま感じられるのでこの後やってきた2~3人のおばちゃんとハエみたいな虫と一緒に高安山駅に向かうことになった。(このあたりで例のニュースを見て親に「さっき西大寺にいたんだけど!?」と返す)
発車時刻近くになると乗務員がやってきた。何か見たことのない棒みたいなのを持っている。こういうところは通常の鉄道と違う。11:45 信貴山口を発車。
ケーブルカーで人が通れる踏切があるのはここと同じ近鉄の生駒ケーブルだけである。

発車すると先ほどまでとは比べ物にならないような急こう配をすいすいと登っていく。
窓が全開なので途中で流れる観光案内とかはあまりよく聞こえない。

窓からの景色はこんな感じ、眺めを期待するようなものではなかった。
途中で青いコ8形と離合し、信貴山口から7分。高安山駅に到着した。
11:52着
 
終端部はこんな感じで、上に運転室がある。ちなみに信貴山口駅は標高66mでここは420mである。実に354mを7分で登ったことになる。初めてのケーブルカーを楽しんだところで駅を降りる。
高安山は有人駅で、ICカード類は簡易改札機での対応となる。駅舎の外に出ると一緒に乗ってたおばちゃんは駅前のバス乗り場から信貴山に向かっていった。
正直向かったらドームに行く時間に間に合わないので今回はこのまま折り返すことにした。
ちなみに先ほどの橿原線、信貴線とここ西信貴鋼索線と3路線を完乗したことで通算完乗路線数は148になった。150の節目をどこで迎えようか思案しながら次の便を待つ。

つづく。